TOM43さんが今年のブラインシュリンプの孵化率をチェック!
「金魚の王様」と言われるらんちゅうの経験豊富なブリーダーであるTOM43さんが、誕生したばかりの稚魚に今シーズン初めてブラインシュリンプの給餌を行いました。
今年のブラインシュリンプの品質はどうでしょうか?
【元の動画】
TOM43らんちゅうノーブル『(#金魚)#らんちゅう ブリーダーの飼育記録No.149(3月3日撮影 #ブラインシュリンプ )』
https://youtu.be/AVO325AixyQ (YouTube) 更新日:2022年3月5日
らんちゅうの稚魚に健康なブラインシュリンプを与える
TOM43さんのらんちゅうガーデンでは、今年も2月に元気な稚魚が誕生しました。
そろそろブラインシュリンプの給餌をスタートさせる時期です。
TOM43さんはどのようにブラインシュリンプを孵化・給餌されているのでしょうか??
目次
1.孵化器・分離器の様子
2.ブラインシュリンプの取上げ・分離開始
3.ブラインシュリンプの孵化準備(セット)
4.ブラインシュリンプの卵殻分離~給餌
5.健康な稚魚には良質なブラインシュリンプを
1.孵化器・分離器の様子
TOM43さんはブラインシュリンプの孵化器を3本使用しています。1日2回(朝・晩)に耐久卵をセットし、24時間経過後に取り上げます。今回は稚魚もまだ小さいので、24時間経過後もエアレーションをかけて1本キープしています。
※セット方法および孵化条件は後述します
セットから24時間経過し、ブラインシュリンプの幼生が生まれてきました。太陽の光が当たると、きれいなオレンジ色であることが一目で分かります。これは高い孵化率が期待できます。
TOM43さんは、自作のブラインシュリンプ分離器を使用しています。(手先が器用ですごいです・・)バケツをかけるフックも含め、道具は全て100円ショップでそろえたとか。この白いバケツも古くなってきたので、そろそろ分離器を作り直すそうです。
ブラインシュリンプ分離器の材料は、①バケツ(4.5ℓ)・②ビニールチューブ・③瞬間接着剤。すべて100円ショップで手に入ります。
バケツの底にきりで穴をあけ、チューブを取り付けます。ブラインシュリンプの幼生(ノープリウス)は、バケツの底から回収する仕組みです。
2.ブラインシュリンプの取上げ・分離開始
先程取り上げた、孵化したてのブラインシュリンプを、分離用バケツに注ぎます。
ブラインシュリンプは孵化すると卵殻が水面に浮き、幼生(ノープリウス)はそこにたまります。質の高いブラインシュリンプほど卵殻と幼生がきれいに分離します。バケツに注ぎ、しばらく分離を待ちます。
3.ブラインシュリンプの孵化準備(セット)
さて、ブラインシュリンプの分離を待っている間に、次のブラインシュリンプのセットを行います。
先述のとおり、TOM43さんのブラインシュリンプセットはこんな感じ。
ヒーターで28℃~30℃にした水温に孵化器を入れています。孵化器は梅酒の瓶を使用しています。丸みのある形状が水流を作るため、エアレーションの効率が良くなります。
空の孵化器に水とエアーをセットします。
水温を必ず温度計で確認します。この日の常温水温は10℃を下回っており、まだまだ寒いです。28℃~30℃となるよう調整します。
使用する塩はスーパー等で簡単に手に入る食塩。塩分濃度の高いグレートソルトレークの環境に合わせ、濃度6~7%となるよう調節しています。
大さじ1杯程度すくって孵化器に投入します。
また、ここでTOM43さんオリジナルのプロバイオティクス製品
「善玉菌アナカス」を投入します。
水質浄化・生体機能活性に効果のある「アナカスA」と、生体の免疫を高め、病気を予防してくれる「アナカスB」をひとつまみずつ投入します。
アナカスは「ブラインシュリンプの孵化率を高める」とともに「ブラインシュリン幼生の腸内環境を整え、生体を活性化させる」働きがあるそうで、アナカスを与えたブラインシュリンプをらんちゅうの稚魚に与えると、稚魚の成育が良くなるそうです。
4.ブラインシュリンプの卵殻分離~給餌
ブラインシュリンプのセットが完了したら、先程ブラインシュリンプを投入した分離器を覗いてみます。水面をよく見ると、卵殻がたくさん浮いています。きれいに分離できているようです!
上向きにしていたホースを洗面器に向けておろすと、鮮やかなオレンジ色をした幼生(ノープリウス)がたくさん出てきました。
今年もかなり品質の良いブラインシュリンプです!TOM43さんも「過去一といってもいい程高い品質」「感動しました!」と興奮された様子です!
孵化器にはブラインシュリンプが孵化した後に残った卵殻が、ごっそりと入っていました。とてもきれいに収穫ができました!
回収した幼生(ノープリウス)にエアレーションをかけます。元気なノープリウスは3~4日もミジンコのように元気に泳いでいるそうです!鮮やかなオレンジ色がきれいです。
水で希釈し、コップにとってブラインシュリンプの様子を確認します。光に当てると、元気に泳ぐ幼生が肉眼でも確認できます。
さっそく、孵化したてのブラインシュリンプをらんちゅうの稚魚に与えます。フネの中を観察すると、ふちの部分にたくさん稚魚が集まっているのが分かります。泳ぎ出しのよい、健康な稚魚たちですね!
ブラインシュリンプを洗面器から網ですくいます。
たったスプーン1杯のブラインシュリンプ耐久卵から、こんなにたくさんの幼生が孵化しています!
普段ならネットですくったブラインシュリンプをそのまま給餌しますが、今日はブラインシュリンプの給餌初日なのでえさの量を少なめにします。スプーンで1杯すくい、
水槽に投入
すると、稚魚がすぐにブラインシュリンプを認識し、元気よく食べ始めました。しばらくすると、ブラインシュリンプを食べた稚魚のお腹がオレンジ色になります!
【稚魚のいるフネとブラインシュリンプ】
稚魚への給餌が終わったら、発泡スチロールなどで蓋をしておきます。
この時期は毎日稚魚の様子が気になるところですが、ブラインシュリンプの孵化がしっかりできているかを一番に確認しましょう、とTOM43さん。
5.健康な稚魚には良質なブラインシュリンプを
ブラインシュリンプを上手に孵化させられるかどうかは、健康な稚魚の成長のための生命線となります。
孵化・分離のための器具は100円ショップで十分であり、品質の良いえさにきっちりお金をかけるべき、とTOM43さん。
A&A Marine 藤本太陽堂のブラインシュリンプは、「乾燥卵の状態ですでにオレンジがかったよい色をしており、今年も品質が高い」とお墨付きを頂きました!
今回ご紹介したTOM43さんの情報はこちら