A&A Marine 藤本太陽堂  HP リニューアルしました ! 🐠🐠🐠


産地別 ブラインシュリンプの選び方


はじめに

ブラインシュリンプ(生物学上の名称はアルテミア)は世界各地の塩湖に生息し、養殖もおこなわれています。生物学上、かつては「アルテミア・サリナArtemia Salina」という名称で統一されていましたが、現在は米国ソルトレークの「アルテミア・フランシスカーナ Artemia Fransiscana」など、生息地によって数種に分類されています。ブラインシュリンプの産地では地理的条件・池や湖の水質・えさとなる植物プランクトンの種類など自然環境・生育環境が大きく異なっています。また、ブラインシュリンプの生産主体によって収穫・加工・貯蔵の方法が様々です。こうした要因によって、ブラインシュリンプは魚と同じように、産地ごとに形態や生態・品質・特徴が大きく変わります。

当社では世界中の産地の中から品質が安定し、主に魚のえさとしてどなたにも使いやすい①米国ソルトレーク②ベトナム③中国の計3産地を選び、各国の生産者から直接ブラインシュリンプを輸入しています。輸入したブラインシュリンプは、自社工場にて厳しい品質管理のもと製造・包装・貯蔵したのち、皆様にお届けしています。

このページでは、上記3か国の産地ごとにブラインシュリンプの品質や特徴がどう異なるかについて説明します。もっとも、ブラインシュリンプの給餌で一番大切なことは「適切に保存・管理されたブラインシュリンプを正しい孵化方法で孵化させること」です。どの産地のブラインシュリンプであっても、適正条件で孵化したブラインシュリンプは栄養満点のすぐれた生きえさとなります。


※例えば、ソルトレーク産の孵化率が良くない場合、高孵化率を誇るベトナム産を使用すれば孵化率の上昇は期待できます。しかしながら、「ブラインシュリンプを買い換えず、孵化条件をいま一度見直すことにより孵化率が劇的に改善した」ということもよくあるように思います。

こうした前提のもと、ブラインシュリンプの産地ごとの特性を考慮してみると、普段のブラインシュリンプの給餌にさらなるアレンジを加えることができます。飼育にひと手間をかけ、魚の飼育環境をより良くすることができます。あるいは、産地の切り替えにより作業の省力化が実現することもあります。

このページが、皆様のブラインシュリンプ選びに役立ちましたら幸いです。

目次


1.各生産地について

  ①米国ソルトレーク産

  ②ベトナム産
  ③中国産

2.品質の比較について

❶孵化率 ❷価格 ❸孵化時間 ❹幼生サイズ ❺栄養価 ❻グラムあたり卵数 ❼水分値 ❽品質総合評価

3.産地別の特徴まとめ(表)




1.各生産地について


米国ソルトレーク産

もっとも愛用される高品質ブラインシュリンプ

アメリカ合衆国ユタ州・グレートソルトレークのユニークかつ雄大な自然環境に育つ、天然ブラインシュリンプです。豊富な資源量と大規模かつ先進的な生産体制を背景に生産量・品質が安定しており、海水魚・甲殻類・淡水魚・クラゲ・金魚など、幅広い魚種でお使い頂けます。日本はもちろん、世界中で最も広く、長年愛用されている産地です。また、現地ではサスティナビリティの観点より資源管理・環境保全の取り組みも進んでいます。

※グレートソルトレークの現地情報については、「アルテミアのふるさと グレートソルトレーク」に詳しく記載しております。

■おすすめの魚種
・淡水魚(メダカ、金魚、らんちゅう、アユ、コイ、グッピー、ゼブラフィッシュ、ディスカスなど)
・海水魚(クマノミ、タツノオトシゴ、チンアナゴ、クラゲ、マダイ、トラフグ、ヒラメなど)
・甲殻類、両生類など


ベトナム産

品質にこだわる方へ 最高品質ブライン

ベトナム南部の豊かな自然環境と、高度な研究に基づく養殖技術によって産み出される非常に高品質なブラインシュリンプです。産出量が少なく、貴重な商品です。ほとんど全ての卵が孵化し栄養価も高いです。さらに幼生(ノープリウス)サイズが小さいため稚魚の成育が非常に安定します。ベトナム産ブラインシュリンプは近年世界中から注目を集めており”Best Quality in the World”とも評される品質を誇ります。水族館や水産養殖場などプロからの評価も高く、特にクラゲや口の小さな魚へ給餌した場合に成果が期待できます。

■おすすめの魚種
・淡水魚(メダカ、金魚、らんちゅう、アユ、グッピー、ゼブラフィッシュ、ディスカスなど)
・海水魚(クラゲ、クマノミ、タツノオトシゴ、マハタ、マダイ、イワシ、スギ、ブリ、オニオコゼなど)
・甲殻類など


中国産

使いやすくなった「新」中国産ブラインシュリンプ

中国では、その広大な地理的要因により数種のブラインシュリンプが天然・養殖ともに産出されていますが、卵の粒径が大きい傾向にあり養魚に不向きであることに加え、品質の安定性に不安がありました。そこで当社は、米国ソルトレーク由来の技術指導と品質管理ノウハウにより同国のブラインシュリンプを中国で養殖した生産者の商品を「新中国産」ブラインシュリンプとして輸入しています。ソルトレーク原産種でも、中国で育てると気象や飼育条件に影響され、本国アメリカとはまた違った特徴を持つようになります。アメリカ産と比較し、幼生サイズはやや小さめ、卵数多めになります。


■おすすめの魚種
・淡水魚(メダカ、金魚、らんちゅう、アユ、コイ、グッピー、ゼブラフィッシュ、ディスカスなど)
・海水魚(クマノミ、タツノオトシゴ、チンアナゴ、マダイ、トラフグなど)
・甲殻類(ガザミ、くるまえびなど)




2.品質の比較について


産地ごとの品質について項目別に比較し、説明します。

❶孵化率

ソルトレーク産は90%以上、ベトナム産は約95%、中国産は85%以上です。

※当社孵化試験に基づく
※年・ロットによって取扱規格や孵化率が変わる可能性がありますので、最新情報をご確認ください。
※当社では孵化試験に合格した製品のみを出荷しております。 

❷価格

ソルトレーク産を基準に、ベトナム産は高価、中国産はやや安価です。
ベトナム産は高品質で需要も多いですが生産量が少なく価格が高いです。

※価格は時期により変動します。

❸孵化時間

各産地とも孵化時間は24時間ですが、ソルトレーク産とベトナム産は孵化時間20時間時点でも十分な数が孵化します。中国産は孵化時間がやや長くなる傾向があります。

※当社孵化試験に基づく

❹幼生サイズ

ソルトレーク産・中国産は孵化直後幼生が450~500µm程度ですが、ベトナム産は約~400µm未満と小さいです。口の小さな魚やクラゲにとっては、このサイズの小ささが非常に重要になります。

※当社製品による比較

❺栄養価

ベトナム産は魚の成長に必要な高度不飽和脂肪酸含有値がソルトレーク産・中国産よりも高く、特にEPAが豊富に含まれています。また、中国産はソルトレーク産よりEPAがやや多い傾向にあります。

※当社製品による比較
※第三者測定機関による結果に基づく

❻グラムあたり卵数

ソルトレーク産を基準に中国産は「やや多い」、ベトナム産は「多い」といえます。
グラムあたり卵数が多いと同重量でより多い幼生数を得られますので、給餌効率が上がります。

※当社孵化試験に基づく
※当社製品による比較

❼水分値

ベトナム産は水分値が低いです。水分値の低さと孵化率には相関関係があります。

※当社製品による比較


❽品質総合評価

品質ではベトナム産が最も優れています。
ベトナム産の栄養価が高く幼生サイズが小さいという特長は、他産地と比較しても評価すべき点でしょう。魚種にもよりますが、稚魚になるべく早い段階から栄養のあるえさを与えられるかどうかは飼育の大きなポイントになります。ベトナム産ブラインシュリンプは稚魚の成育を促進し斃死率の改善が期待できるほか、個体間の体長差が小さくなり共食い防止効果も期待できます。幼生サイズが小さいと、魚にとって消化(腸管吸収)しやすい場合もあります。


(注意)
ブラインシュリンプは栄養強化する場合などを除き、孵化後なるべくすぐに給餌するよう心がけましょう。孵化後時間がたってしまうとブラインシュリンプの体長が大きくなってしまいます(例えば孵化後24時間後には体長が孵化直後のほぼ倍になります)。またブラインシュリンプは、孵化後しばらくはえさを摂らず、自らの体内(ヨークサック)に貯蔵した栄養を少しずつ消費していくため、栄養価も徐々に下がっていってしまいます。

ベトナム産を使用することで作業効率も大幅に改善ができるでしょう。ほぼすべての卵が孵化しますので、「卵殻の除去や水槽の掃除が非常に楽になる」と評価される方が多いです。また魚のサイズがそろうと、選別も容易になります。


3.産地別の特徴まとめ(表)


上記内容をふまえ、表を作成しました。
各産地の特徴をふまえ、お好みのブラインシュリンプをお選びください。